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法テラス被災地出張所と地元弁護士との連携 4

更新日:2018年6月28日

川見 哲一(かわみ・のりかず)弁護士

Q1.いつから大船渡に赴任されているのでしょうか。

 私が働いている岩手銀河法律事務所は法人で、盛岡市・奥州市・大船渡市に事務所があります。弁護士になってすぐに、平成22年1月から奥州市の事務所で働き、その後大船渡の事務所に来ました。大船渡に来た当初、事務所は弁護士2名体制でしたが、今年の1月からは私1名体制で運営しています。
 大船渡へ赴任したのは、平成23年3月1日。その10日後に東日本大震災で被災しました。

Q2.大船渡へ赴任されてすぐに震災にあわれたとのことですが、震災直後はどのような活動をされていましたか。

 事務所は地震によって家具や書類等が散乱しましたが、浸水はしませんでした。ただ、事務職員3名のうち2名は家を流され、避難生活を余儀なくされました。もちろん、震災直後は電気・ガスがすべて止まっていましたので弁護士業務はできず、震災の翌日からはボランティア活動をしていました。
 私が住んでいた場所は高台でしたが、食べるものもなく電気等インフラが止まっていまして、近くに住んでいた住民の方々から食事に呼んでいただきました。そこで、近くに住んでいたシェフと出会い、そのシェフから「今、被災者の方々のためにおにぎりを作っているんだよ。」と聞きました。何か手伝うことはないかと尋ねたところ、野菜等の食材が不足しているので、何とかならないかとのことでした。震災翌日、友人の弁護士が何かできることはないかとお金を持って来てくれました。そうした資金によって、食材を買うなど物資調達の支援をしていました。
 被災直後は、市役所も混乱していて、市に届いていた食材などの物資を、各避難所へ柔軟に配ることが困難な状況でした。また、支援物資で生ものが届いても避難所には届かないということもありました。
 そこで、大船渡市役所に届いた支援物資等をボランティア団体へまわして貰うための交渉を市役所と行っていました。具体的には、各避難所では何が足りないのか等のきめ細かい情報や、市が把握していない避難所(公民館に集まっていたり、民間の大きな家に集まっていたり、自然発生的にできたもの)の情報、また、どれくらいの数の炊き出しを配布したか等をデータベース化し、市に伝え、食材等の物資を回してほしいといった交渉を行っていました。
 このような活動は、私一人だけでやっていたのではなく、岩手弁護士会の複数の弁護士にも支援してもらっていました。

Q3.実際の相談業務に移ったのはいつごろでしょうか。

 事務所自体は平成23年3月末から再開しましたが、車が流されていたり、公共交通機関が遮断されていたことから交通手段がなく、事務所を訪れる方は当然いませんでした。
 4月頃から、避難所で相談の場所を確保できるかどうかを避難所に直接訪ねて、そこの責任者の方と打合せをして何とか了解を得て、廊下の隅っこに机だけ出して毎日相談会を開かせて貰っていました。
 5月末くらいまでは避難所を回っての活動を行い、現在も継続していますが、大船渡市役所の無料法律相談も行っていました。

※震災法律援助業務による無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替については、「東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律(震災特例法)」の失効により、令和3年3月31日新規申込受付を終了しています。

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