対談、座談会

法テラスのお仕事をちょっと覗き見!

法テラスにはどんな部署があってどんな仕事をしているの?どんな雰囲気なの?そんな疑問にお答えする上司×部下対談。普段聞きたかったこと、話したかったこと、率直に語ってもらいました!

DX推進室

DX推進室は2023年度に設置された新しい部署です。DX推進室がなぜ設置され、どんな人がどんな思いで、どんな仕事をしているのか。上司のSさんと部下のMさんに語ってもらいました。

裁判のデジタル化に対応し、弁護士や利用者の利便性向上を目指すDX推進室

対談上司S:私たちがいるDX推進室は2023年度に新設された部署ですよね。DX推進室ができると最初に聞いたとき、Mさんはどのように感じましたか。

部下M:私は当時、情報システム管理課に所属していました。法テラスは、独立行政法人に準じる法人、公的機関に近い組織なので、DXって何をするのかイメージが湧きませんでした。いざ始動してみると、プログラミングなどのSEやプログラマーのようなお仕事ではなく、法テラス全体を見ながら事件管理のためのシステムを構築するプロジェクトを推進したり、職員の情報リテラシー向上のための研修を行ったり、組織として取り組むべきことを担当するのがDX推進室の役割だと分かりました。やりがいと同時に難しさも感じています。

上司S:確かに、実際に部署が立ち上がってからでないと、分からなかった部分も多かったと思います。

部下M:そもそも、なぜDX推進室が設置されたのでしょうか。社会全般でDX化に注力する企業や自治体は増えていますが、このタイミングで、しかも新たな部署を作って法テラスがDX推進に取り組むことになった理由は何でしょうか。

上司S:公的機関はDX化への取り組みが不十分、遅れているというのはよく言われることですし、法テラスも例外ではありません。しかし、裁判手続きのデジタル化を進めていこうという機運がある中、法テラスだけ取り残される訳にはいきませんよね。また、利用者や弁護士の利便性向上のために今すべきことはたくさんあります。そこで、法テラスとしてDX推進を重要課題と位置付け、予算と人員を確保して取り組むことになりました。

部下M:たしかに司法の分野では、書類のやり取りにFAXを使うなど従来のやり方が多く残っていますが、徐々にデジタル化が進んでいるのを実感しています。

「DXに正解は無い。だからこそ、モノが言いやすい雰囲気を作りたかった」(上司S)

部下M:SさんはDX推進室の責任者として、設置当初、どんな部署にしたい、とお考えでしたか?

上司S:DX推進室は新しい部署なので、組織的なガチガチなものではなく、とにかく自由な雰囲気を作りたかったんです。なぜかと言うと、DX推進室が取り組む内容って、他の組織と違って、これだ!という正解が無いんです。上司である私も正解を持っているわけではありません。むしろ部下のMさんたちが正解を持っているかもしれない。だからもし私が間違ったことを言ったときに、それに反論できないような組織にしちゃいけないと思ったんです。そのためには自由でフラットな組織、モノが言いやすい組織にしたいと思いました。それで一番最初に「DXの決まり」を作ったんです。

部下M:あ、部屋に貼ってあるあれですね!「DXの決まり」には、「役職名で呼ばない」「昼休みを自由にとっていい」「金曜日には会議を入れない」などの具体的なもの以外に、「心理的安全性を尊重する」「発言者イコール実行者ではない」というものがありますよね。この項目はどんな思いで作られたんですか?

上司S:これもやっぱりモノが言いやすい、ということを実現するためです。「心理的安全性を尊重する」は本当に自由な発言を求めるもの。みんなと違う意見でもいい、正しくなくても言っていいんだよ、ということを保証するものです。「発言者イコール実行者ではない」というのも、これを言ったら自分がやらなきゃいけなくなる、と思って言わないでおこうと思うことありますよね?それを無くしたかったんです。

部下M:なるほど。確かに上下関係なく、モノが言いやすい雰囲気になっています!

「これまでの他部署での経験が、すべて今の仕事に活きています」(部下M)

対談上司S:Mさんは地方事務所や本部の情報システム管理課での勤務経験がありますが、これまでの経験が現在の職場で活きているな、と思うことはありますか?

部下M:あります!DX推進室でいろいろなアイデアを出そうと思っても、実際に地方事務所でどんな業務をしているのかイメージがわかないと、アイデアが出せないですよね。この部分をデジタル化したらもっと仕事がやりやすくなる、という部分も実感としてあったので、地方事務所での経験がまさに活きていると思います。

上司S:実際に、DX推進によって業務を効率化できると思うのはどういう部分ですか?

部下M:相談記録の入力を効率化できるのではないかと考えています。現在は、弁護士や司法書士から提出された紙の法律相談の記録を、職員が事件管理システムへ手入力しています。大きい事務所では、毎日何十枚も手入力するので、かなりの労力なんです。

上司S:まさにDX推進で解決できる課題ですね。相談記録の入力を効率化し、そこで生まれた時間と人手を、司法ソーシャルワークの拡充などに回せれば、法的トラブルで困っている方を一人でも多く支援できることになりますよね。情報システム管理課での勤務経験はどうですか?

部下M:情報システム管理課に異動になったときには、それまでの業務とまったく違ったので、分からないことばかりで「もう帰りたい」ってなってたんです(笑)。情報システム管理課ではIT用語に触れる機会も多かったので、DX推進室でシステムの仕様書や設計書を見ても、抵抗感や拒否反応無く見ることができていると思います。

上司S:今までの経験がすべて活きてますね!ところでMさんは今後のキャリアプランをどのように考えていますか?そのためにしていることはありますか?

部下M:まだ明確なプランは描けていないのですが、やっぱり今やっていることが活かせるといいなと思っています。ITの分野もまだまだ分からないことが多いので、研修なども積極的に受講して勉強し、まずは今の仕事に活かしていきたいと思っています。

「DX推進室の使命は『司法アクセスの改善』。そこを忘れてはいけない」(上司S)

部下M:DX推進室が設置されて1年経過しましたが、今後はどのような方向に進んでいくのでしょうか?私たちが常に心掛けておかなければいけないのはどんなことですか?

上司S:私たちに必要なのは、常に先を見据えて絵を描いていくことだと思うんです。「司法アクセスの改善」が我々の使命ですよね。今、数年後の大きなシステム更改に向けて取り組みを進めていますが、システムはあくまで手段です。私たちの部署はシステムを作る部署ではありません。近視眼的にならず、作った後にどうするのか、「司法アクセスの改善」にどうアプローチしていくのか、そこを考えて全体の業務を作る部署だ、ということを忘れずにいなければいけないと思います。これはDX推進室の皆さんだけでなく、私自身にも言い聞かせてるんですけどね(笑)。

部下M:作ったシステムをどう使って、業務をどう変えていくかが法テラスの社会的役割を高めることにつながるんですね。新しい部署だけに手探りで業務を進めていかなければならない場面も多いですが、DX推進室が貢献できることはたくさん有りそうだと、やりがいを感じます!

犯罪被害者支援課

法テラスの重要な業務のひとつである犯罪被害者支援。全国の地方事務所やサポートダイヤルで犯罪被害者支援に関するサービスを提供し、本部には全体的な運営と施策を担当する犯罪被害者支援課が設置されています。それぞれの役割分担や犯罪被害者支援に携わる思い、求められる人材像などについて上司のKさんと部下のHさんに語ってもらいました。

「法律の知識はいらない。利用者の背中を押せる、あたたかい気持ちを」(上司K)

部下H:法テラスって法学部卒ではない人も多いですよね。

上司K:そうですね。Hさんの出身学部は?

部下H:私は社会学系の学部で、ゼミでは主に教育格差や差別などについて学びました。

上司K:そうすると、法律の勉強もしたのかな?

部下H:授業の一つとして履修はしましたが、本当に浅い知識なので、勉強していないに等しいと思います。そういえばKさんの出身学部って聞いたことがありませんでした。法学部なんですか?

上司K:いえいえ。工学部なのでまったくの畑違いです(笑)。私たち職員は弁護士でもないし、カウンセラーでもない。だから、私たちに求められているのは法律や心理学の専門知識ではないんです。私たちの役割は、そこにある相談窓口や支援制度に対してハードルを感じている人、解決に向けた一歩を踏み出せない人たちの背中を優しく押すこと。そのためには様々な支援制度について常に勉強を続けなければなりませんが、必要なのはコミュニケーション能力と、利用される方に寄り添うあたたかい気持ちではないかと思います。

部下H:私も法テラスに入るまでは、法律の知識が無いことを不安に思っていましたが、必要な知識は入職して始めてから学ぶことができたので、心配ありませんでした!

一人ひとりの利用者に向き合う地方事務所、事業計画や施策策定、法改正などに対応する本部

上司K:Hさんは本部の犯罪被害者支援課での勤務の前に、地方事務所で犯罪被害者支援担当をされていましたよね。

部下H:はい。私は静岡地方事務所で初めて犯罪被害者支援を担当しましたが、そこで感じた地方事務所の役割は「被害に遭われた方と司法の橋渡し」です。事件の内容を伺い、弁護士との相談に繋げたり、適切な支援が受けられる関係機関を紹介したりといったことをしますが、一人ひとり状況は異なります。事件の経緯やご本人の希望を伺うときは、ご本人の気持ちを尊重しながら、同じことを繰り返し伺って思い出させてもいけないので、特に配慮しながらお話を伺っていました。つらい体験を誰かに打ち明けるのは、すごく勇気のいることだと思うので、丁寧にお話を伺うことを心掛けていました。

上司K:確かにそこがこの業務の難しいところですね。本部の犯罪被害者支援課に異動して、業務や役割の違いなど、何か感じたことはありますか?

部下H:まず、年度ごとの事業計画の立案や全体の施策の策定、国への予算要求といった、業務の根幹に関わることが多いと感じました。地方事務所で勤務していたころ、本部からいろいろな指示が来ますよね。例えば、〇〇という制度が始まります、とか、この件はこのように対応してください、とか。実は当時は、それがなぜなのか、というところまで考えが及ばなかったんです。本部の犯罪被害者支援課での業務を経験し、「今、政治の動きがこうなっている。だからこの要請が来るんだ」、「予算がこのような状況だからこの業務をしなくてはいけないんだ」、ということが理解できるようになりました。

上司K:法改正や新法制定も活発に行われているので、それに関する業務もたくさんありますよね。直近では、AV出演被害防止・救済法の制定、性犯罪に関連した刑法改正、DV防止法の改正、女性支援新法の制定などがありましたが、これは近年、犯罪被害者支援への社会的関心が高まっていることの現れだと思います。今後、Hさんにもぜひ携わってほしいと思っています。

部下H:法改正等があると、犯罪被害者支援課では具体的にどのような対応をしているのですか。

上司K:まず法改正等の内容をよく確認し、法テラスの業務に関する規定や施策に反映させます。反映にあたっては、法テラス内の各部署だけでなく、中央省庁との調整も必要になってきます。
また、全国の職員に周知しなければならないので、マニュアルの作成や改訂、職員向けの研修などを行います。それから、法テラスのウェブサイトに掲載している一般の方向けの情報の更新も必要です。

部下H:やることがたくさんあるんですね!

上司K:そうなんです。でも、本部に勤務する弁護士や心理専門職などに専門家目線の見解を聞くこともあり、私たちにとっても、とても勉強になりますよ。

部下H:大変そうですけど、楽しみにもなってきました。

「さまざまな支援制度を、分かりやすく伝えていきたい」(上司K)

部下H:犯罪被害者支援課の今後の課題、目標はどういったところなのでしょうか?

上司K:今、これまでにない新しい支援制度を作ろうと準備していますよね。新しい支援制度なので、実施したときにどうなるか読めないところもあり、想像しながら作っていかなければならない、というのが難しいところであり課題だと思います。また、Hさんも先ほど利用者一人ひとりの状況が違う、と言っていましたが、犯罪被害って本当にすごく幅が広い。DVもそうですし、性被害、交通事故や傷害、殺人もあります。その幅広い問題に対応できるよう、いくつかの支援制度があるわけです。その都度、利用者のニーズに最も合った支援制度を選択したり、複数の支援制度を組み合わせて利用するなどベストな支援につなげる必要がありますが、その反面で支援制度が数多く存在し、複雑化してしまっていることがひとつの問題でもあります。私たち職員にとっても難しいし、弁護士にとっても難しい、もちろん利用する方にとっても難しいはずです。新しい支援制度も加わる中で、これらをどのように整理し、分かりやすく伝え利用につなげるか、ということが犯罪被害者支援課の大きな課題です。

部下H:なるほど。そういった課題に向き合っていくために、私たちに必要なのはどんなスキルでしょうか?

上司K:やはり支援制度を周知する際にも、情報を受け取る側、使う側の立場に立つ、ということでしょうか。また、地方事務所はその地域ごとに事情が異なります。一つの施策でも、これを全国展開したときにどうなるのか、という広い視野を持つことが必要だと思います。さらに、世の中の動きや政治の動きなどに意識を向けておくことも必要です。Hさんは、今後の目標、犯罪被害者支援課で実現したいことなどはありますか?

部下H:先ほどもお話ししたように、私は犯罪被害者支援課に異動になって、初めてその仕事の意味が分かった、という部分があります。こうして私が気付いたことを、地方事務所で犯罪被害者支援を担当している職員にもお伝えしていければ、と思っています。

上司K:一緒にがんばりましょう!

これまで、そしてこれから。入職7年目座談会

育成期間にひと通りの業務を経験し、中堅職員となりつつある入職7年目。これまでの法テラスでの経験に何を感じ、これからの業務にどんな思いを馳せているのか。入職7年目となる民事法律扶助課のSさん、財務会計課のHさん、情報システム管理課のYさんに、ざっくばらんに語ってもらいました。

「『法学部でなくても大丈夫!』って書いてあったのを信じて応募しました(笑)」(民事法律扶助課S)

情報システム管理課Y:私は法学部卒ではないのですが、お二人は?法テラスの職員って法学部卒とそれ以外の学部卒でだいたい半々くらいですか?

民事法律扶助課S:そうですね。法学部卒が少し多いくらい?私は文学部です。心理学系のコースで、発達障害などについて学んでいましたが、そのような人たちの支援ができる公的な仕事に就きたいという気持ちがありました。そこで法テラスを見つけて。「法学部でなくても大丈夫!」って書いてあったので、それを信じて応募しました(笑)。

情報システム管理課Y:僕は社会学部系。メディアについて勉強していたのですが、就活中に法テラスを知って、「法律を使って人を助けるなんてカッコいい!」と思って、勢いで応募しました。(笑)。

財務会計課H:私は法学部です。ゼミで司法アクセスのことを学んで、法テラスで働きたいって思いました。でも、実務で使っている知識は入ってから研修で身に着けたものが多いです。皆さん、研修で何が印象に残っていますか?

情報システム管理課Y:法テラスの成り立ちや業務の内容など様々なことを教わりましたよね。名刺交換の練習をしたときは、いよいよ社会人になったんだって感じました。

民事法律扶助課S:電話対応や窓口対応の練習もしましたよね!先輩が利用者役でロールプレイもやりました。

情報システム管理課Y:Sさんは今年の新規採用者研修に、先輩職員として参加したんですよね?

民事法律扶助課S:そうです。当時の先輩のようにうまくできていたか心配ですが・・・。
法テラスには、高齢の方など、お困りごとの内容をうまく話せない方もいますし、この先どうなるかと不安そうな声で電話を架けてくる方も多いですよね。実際の業務を意識した練習ができるように気を配っています。

財務会計課H:法学部卒でもそうじゃなくても、この研修を受けてみんな同じラインから一斉スタート、っていう感じですよね。

「OJTでは先輩にまとわりついて、20秒に1回くらい質問してたかも」(財務会計課H)

民事法律扶助課S:私たちって最初は全員地方事務所に配属されて、先輩に付いてOJTを受けますよね。その頃ってどんな感じでした?

情報システム管理課Y:僕の場合は、先輩が週に1回、金曜日の終業前に30分くらい時間をとって、毎週面談してくれました。日々の業務の中でももちろん色々と質問していましたが、、忙しい中で聞けずにいることや、復習しているときに新たな疑問が出てくることもあるじゃないですか。こんなこと聞いてもいいのかなというような細かい質問や、その週の業務で分からなかったことなどをそのときに聞くことができて、とても助かりました。

財務会計課H:私はずーっと先輩にまとわりついて、たぶん20秒に1回くらい質問していました(笑)。

民事法律扶助課S:私も!ずっと先輩にくっついてました(笑)。初めて見ることや知らないことばっかりで、でも聞かずに間違ったことを利用される方や弁護士さんに伝えてはいけない。私が電話を受けるときも隣で先輩が聞いてくださっているのが分かっていたので、安心できました。

財務会計課H:聞きづらい雰囲気はまったく無いですよね。

情報システム管理課Y:無い無い。窓口対応をするときも常に気にかけていて、すぐ飛んできてくれました。

「着任したばかりのときは専門用語が飛び交う職場に呆然としました」(情報システム管理課Y)

財務会計課H:私は今、財務会計課にいますけど、同じ本部でもそれぞれの課でまったく業務内容が違いますよね。Sさんの担当は?

民事法律扶助課S:地方事務所の民事法律扶助担当から提出された案件の審査や協議です。本部に提出される案件は、地方事務所で判断に迷うもの、例えば、立替金が高額になる案件や、担保が必要なものなどが多いですね。

財務会計課H:難しそう。どうやって対応しているんですか?

民事法律扶助課S:規程や前例を調べたり、上司やスタッフ弁護士から意見をもらったり。事件の背景が複雑なことも多いので、地方事務所の担当者とやりとりするときは、認識が合っているか何度も確認します。Yさんは情報システム管理課ですけど、もともとそちらの分野に詳しかったんですか?

情報システム管理課Y:いえ、全然。着任したばかりのとき、部署内で飛び交っているカタカナやアルファベットがまったく理解できなくて、呆然としました(笑)。システム特有の用語もあって、新たな用語が出てくる度に調べたり周りに聞いたり。最初は少し苦労しました。

民事法律扶助課S:担当している業務は?

情報システム管理課Y:私の担当は現在使っているシステムの保守・運用と、新たに導入するシステムを作ることの2つ。システムは数年おきにリニューアルするので、この2つが常に並行して動いている感じですね。例えば地方事務所の電源がすべて落ちてしまって、パソコンが使えない状態になったとしたら事件情報が見られないので、相談受付も立替金の審査もできない。そうならないように、日頃の保守・点検が大事なんです。あと、新しいシステムは、安全性を第一に、職員にとって使いやすいものを目指して、課のみんなで案を出し合って進めています。Hさんの業務も教えてください。会計って細かい処理が多いイメージです。

財務会計課H:そうですね。会計基準に沿って、日々の金銭の出入りをチェックするので気を使いますね。でも、地方事務所に会計監査に行ったときは、各地の職員と意見交換できるので新たな発見も多い仕事だと思います。

民事法律扶助課S:大変なことは?

財務会計課H:法テラスの財源は国の予算が大部分だけど、寄付金などもあり、取扱いが異なるのがポイントです。あと、消費税法改正や、最近はインボイスの対応も。なるべく地方事務所の負担が増えないように、現在取り扱いの方法を構築しているところです。

情報システム管理課Y:私の業務もそうですが、やはり地方事務所が法テラスの最前線なので、地方事務所の職員がやりやすいように、というのが本部での業務の大切な視点になってますよね。

民事法律扶助課S:そう思います。そしてそれが、法テラスを利用される方や弁護士、関係機関へと繋がっていくんですよね。

「法テラスに入って、色々な立場や状況にいる人と接して視野が広がりました」(財務会計課H)

情報システム管理課Y:二人が感じている、法テラスのいいところを教えてください。あと、法テラスで働くようになって、自分が変わった、と思うことってありますか?

財務会計課H:「利用者の方にも様々な状況に置かれている方がいらっしゃるし、同僚や、弁護士など異なる立場の人の話を聞くことで、視野が広がった気がします。世の中には色々な人がいて、それって当たり前のことですが、学生時代に周りにいるのは、やっぱり同じような価値観や経験を持つ人が多くて気付かなかったんですよね。法テラスに入って多様な相談に触れる中で、この人に何があったのかな、どんな状況なのかなと想像するようになりました。

民事法律扶助課S:私が法テラスに入って感じたのは、"どんな状況でも何とかなる"ということ。借金や離婚、どんな法的トラブルも当事者は本当に苦しいと思うけど、道は必ずある、って思うようになりました。だからニュースはもちろん、ドラマなんか見ていても、「悩んでいないで、法テラスに来て!」って思ってしまいます(笑)。

情報システム管理課Y:見方が変わりますよね。僕もこの前「なんで無条件に親の借金相続しちゃうの!まずは法律相談!」ってテレビを見ながら(笑)。色々なお困りごとに向き合っていく中で、世の中にある制度や対処法といった幅広い知識を身につけられたと思います。

民事法律扶助課S:これからも知識を増やすのはもちろん、一人ひとりに寄り添った対応ができるように、これまで以上に対応スキルを磨きたいですね。

財務会計課H:あと、法テラスはすごく風通しがいいですよね。先輩にも上司にも何でも聞けるし、意見も言いやすい雰囲気だと思いませんか?

情報システム管理課Y:そうなんですよね。さっきもお話ししましたけど、新人のときにはすごく先輩にお世話になったので、今度は自分が後輩に同じように接していきたいですね。それと、私たちもキャリアを積んで、いずれは管理職になる日が来るじゃないですか。そのときに今の上司のように部下の意見に耳を傾けて、課全体を同じ方向に引っ張っていける上司になりたいですね。なれるか不安ですが・・・。

民事法律扶助課S・財務会計課H:きっとなれる!一緒にがんばっていきましょう!