
【研修とフォローと仲間たち】
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法テラス本部国際室 冨田 さとこ(57期)
*記事の内容は、掲載当時のものとなります。 |
スタッフ弁護士(スタ弁)を担当する常勤弁護総合企画課は、いつも研修開催に追われています。養成中のスタ弁が一年間で一通りの分野での実践力をつけるための研修。赴任一年目の弁護士が相談者に扮した臨床心理士を相手に四苦八苦する、パーソナリティ障害対応研修。各地のスタ弁が取り扱った裁判員裁判の事例研究などなど。
組織が提供する体系的な研修は、裁判員裁判弁護技術研究室に所属している非常勤の岡慎一弁護士や岩本憲武弁護士、元スタ弁で常勤弁護士業務支援室長である浦崎寛泰弁護士が作り上げてくれているものです。
支援室と研究室は、実際に取り扱う事件のサポートもしてくれます。各地に配置されるスタ弁の多くは、弁護士登録後2年目から数年目の若い弁護士なので、当人たちにとっては新しい事件ばかりです。そんな時、内線4桁を回すだけで事件の相談に乗ってくれる経験豊富な先輩たち。このフォローアップ体制は、各地のスタ弁の活動を心強く支えてくれています。
スタ弁同士の勉強会も充実しています。スタ弁の間には、刑事弁護や出口支援、成年後見制度などに関心のある人が集まったチームがあります。各チームは時々勉強会を開いて、チームに所属していない弁護士にも、勉強会の結果を共有してくれます。
さらに、具体的な事件で困ると、同期の仲間や周囲のスタ弁に助けを求めることもあります。そんな時、「依頼者のために頑張る」という価値観を共有し、「だからこそシンドイ」という思いを分かち合える仲間だからこそ、胸襟を開いて相談をすることができます。
そして、実はスタ弁の卒業生は全国各地に定着しています。自営業者として事務所経営を行う以上、国選刑事弁護や民事法律扶助事件に昔と同じように多くの時間を割くことはできなくても、自分がスタ弁だった頃のことを思い、地域で頑張る後輩たちを応援してくれています。各地を異動するスタ弁にとって、地域のネットワークを持ち、応援してくれる卒業生は、やはり心強い存在です。
スタ弁たちは、今日もワチャワチャとそれぞれが抱える事件について、何がベストか真剣に話し合っています。
体系的な研修と充実したフォロー体制、そして同じ思いを持った全国の仲間たちに、見守ってくれる卒業生。「どこにでもある事件」を一生懸命やって実力を伸ばしたければ、是非仲間に入ってみてください。
公開日:2022.10.6