よくある相談

就業規則が変更されて賃金が引き下げられました。受け入れざるをえないでしょうか。

法的な賃金引下げの方法にはいくつかのものがありますが、いずれもその適法性については慎重な判断が必要です。

(1) 労働者との合意
労働者との合意があれば、賃金を引き下げることも可能です。ただし、合意の有無については慎重に判断されます。

(2) 就業規則の変更
就業規則の変更により賃金を引き下げることも可能です。ただし、無制限に認められるわけではありません。その適法性は、労働者の受ける不利益の程度、変更の必要性、変更の内容の相当性、代償措置の有無、労働組合との交渉の状況、などの観点から判断されます。

(3) 労働協約の変更
使用者と労働組合との間で労働協約を改定して賃金を引き下げることも可能です。その適法性は、協約締結の経緯(意見聴取、討議、交渉が尽くされたか、不利益を受けた労働者がその過程で意見を言う機会が保障されていたかどうか等)や、内容に著しい不合理性がないか、などの観点から判断される傾向にあります。