やさしい日本語

「仕事をしているときに、大きなケガをしました。しかし、会社は責任を取ろうとしません。」

困っている男性

私は外国人です。「日本人の配偶者等」の在留資格を持っています。工事現場で働いています。

このあいだ、仕事をしているとき、足場<=高いところで工事をするために作った台>が壊れて、頭の骨を折りました。会社は、「これは病院にかかるお金と、早く治るようにという、気持ちです。」と言って、私に10万円くれました。しかし、それ以上のお金はくれません。

足場が壊れたのは、会社の責任だとわかりました。会社がお金を安くするため、強さが足りない足場を作ったからです。会社はこの事故の責任を取ろうとしません。会社は労働基準監督署という役所にも、事故のことを言わないつもりのようです。

Q 質問

私がしたケガについて、十分なお金をもらいたいです。どうすればいいですか。

A 答え

法テラスの職員

「労働者災害補償保険(労災保険)」というお金をもらうよう、手続をすることができます。

説明

「労働災害(労災)」とは、仕事に関係のある、ケガけがや病気のことです。

roudousaigai

労災がおきた場合、仕事に関係するケガや病気などについて、労災保険というしくみがあり、国からお金がもらえます。1週間に28時(かん)は働いてもいいと「資格外活動許可」をもらっている人が、28時(かん)を超えてアルバイトをしている時や、働くことができる在留資格を持っていない人などが仕事をした場合も、労災保険でお金がもらえます。

 

労災保険でお金をもらう手続として、会社の近くの労働基準監督署に、「給付請求書」という書類を出す必要があります。ケガや病気をした本人が出してください。本人が死亡した場合は、家族が出してください。会社が労災だと認めないで、書類に必要なことを書いてくれない場合でも大丈夫です。このような場合、ケガをした時の状況や原因について会社が認めないことを書いて、「給付請求書」と一緒に出してください。

労働基準監督署

働く人が一人でもいる会社は、労災保険に入る必要があります。保険にかかるお金は、ぜんぶ会社が払います。
仕事をしている間などに、働いている人がケガをして死んだり、仕事を休んだ場合、会社はすぐ「労働者死傷病報告<=労働者が死んだり、ケガをしましたという報告>」を労働基準監督署長<=働く人が正しい条件で働いているかを調べるところの一番偉い人(※)>に出す必要があります。

わざと「労働者死傷病報告」を出さない、または、うそを書いて出すのは、法律に違反します。その場合は、労働基準監督署へ行って、会社への注意や(ばつ)を与えるよう求めることができます。

 

(※)厚生労働省:雇用管理に役立つ多言語用語集(やさしい日本語)から引用。
https://www.mhlw.go.jp/yougosyu/index.html