被災により死亡した父の手書きの遺言が後日発見されました。全財産を私の兄に相続させるという内容であり、私にとっては不満ですが、このまま放っておいてはいけないのでしょうか。また、私はまったく財産を相続できないのでしょうか。
更新日:2018年6月28日
家庭裁判所に対し、遺言書の検認の申立てをする必要があります。
遺言が有効なものであれば、財産は遺言どおり兄に相続されることになりますが、あなたの遺留分は守られますので、遺留分減殺請求をすることにより、遺産の一定割合を得ることができます。
- 公正証書によって作成された遺言を除いては、遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、速やかに家庭裁判所に提出し、その検認を請求する必要があります。
検認は、遺言書の検証をする手続にすぎません。すなわち、遺言書の検認の手続は、遺言が有効か否かを判断するものではありません。したがって、遺言内容の有効性に疑義がある場合には、別途、裁判などで争うこととなります。 - 亡くなった方(被相続人)は、自身の財産の行方を遺言により自由に定めることができますが、被相続人の遺族の生活を保障するために、法律上一定の制約があります。これが遺留分の制度です。
全財産を特定の者に相続させる内容の遺言は、あなたの遺留分を侵害する遺言ですが、遺留分を侵害する遺言も無効ではありません。ただし、遺留分を侵害された者は、遺留分減殺(げんさい)請求という権利行使をして、遺留分を取り戻すことが可能です。