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法テラス東京法律事務所だより 2026年3月
上野のげんばから
自己破産したくてもできない?
区役所のケースワーカーさんから、ホットラインにお電話をいただきました。
- 都内のアパートで一人暮らしをしているAさん(40代、独身)は、数年前から病気で入退院を繰り返していましたが、いよいよ仕事を続けることが難しくなり、仕事を辞めて生活保護の受給をはじめました。
- Aさんは、区役所に生活保護の相談をする前に、未払い入院費(数十万円)の支払い方法について病院に相談して、毎月1万円ずつ支払うことを約束していました。A さんは生活保護を受給してからもこの支払いを続けていました。
- ケースワーカーの甲さんは、Aさんを担当することになった際、Aさんから未返済のカードローンの借入残高が200万円ほどあると聞いていたので、Aさんの病院への支払いのことを知り、病院への支払いは直ちにやめて、自己破産の申立てをすることをすすめました。
- すると、A さんから「私は一人っ子で、頼ることができる家族は両親だけでした。なので、入院のときの保証人はいつも父に頼んでいたのですが、その父が先月亡くなりました。母に今後の生活は大丈夫か聞いてみたところ、父が亡くなる半年ほど前から両親も生活保護を受けていたことを知らされました。私が自己破産を申立てると母に迷惑はかからないでしょうか?」と質問されました。甲さんは、A さんに何と答えたらよいのか分からずに悩んでいたところ、同僚から法テラスのホットラインを利用してみたらどうかと言われて、ホットラインに電話してみました。
Aさんのお父様は、生前、Aさんが入院費を支払えなくなると、保証人として病院に入院費を支払うべき立場にありました(つまり、Aさんのお父様は、保証債務を負担していました。)。もし、Aさんが自己破産によって免責許可決定を受けると、病院はAさんに入院費を請求できなくなります。その反面、病院はAさんのお父様に請求することができたのです。
ところが、Aさんのお父様が亡くなったため、この保証債務について相続の問題が生じることになります。債務は原則として法定相続分に従って各相続人に承継されます。したがって、Aさんの亡くなったお父様の保証債務は、法定相続人にあたるお母様にも引き継がれることになります。
もっとも、Aさんのお母様は、Aさんのお父様が亡くなって相続開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の手続をとることにより、相続開始時に遡って、保証債務の承継は生じなかったことにできます。
甲さんは、ホットラインに電話してこのような説明を受けたので、Aさんの場合、Aさんのお母様に相続放棄をしてもらう必要があるかもしれない、ということに気づくことができました。そして、Aさん自身の自己破産のことだけでなく、Aさんのお母様にも相続の問題について早めに法テラスの無料法律相談を受けてもらったらどうか、とアドバイスしたのでした。
“こんなとき、どうしたらいいんだろう。”お困りの際は、お気軽にホットラインにご連絡ください。
<このお話は実例を参考にしたフィクションです。>
法テラス東京法律事務所だより3月号 [PDFファイル/174KB]
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