自治体・福祉機関等の方

福祉と司法の連携

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【こども・ひとり親支援】自治体・福祉機関と法テラスの連携事例

福祉の現場に隠れている法律問題とその解決、法テラスの制度の利用の仕方など、福祉と司法の連携の一例をご紹介します。なお、事例は事実関係を一部加工しています。

目次

  1. ネグレクトの背景にあった夫の妻に対するDVについて、別居後の安全と収入の確保、離婚手続関する法的支援を行った事例

  2. 財産分与と養育費請求により離婚後の生活の安定を図った事例

  3. 大分市と法テラス大分の連携

  4. ご連絡先(こども・ひとり親支援)

1.ネグレクトの背景にあった夫の妻に対するDVについて、別居後の安全と収入の確保、離婚手続関する法的支援を行った事例

DVを受けている母子のイラスト

 いつも同じ服を着ている、臭いがするなどといってクラスでいじめを受けていた小学2年の男児。スクールカウンセラーが話を聞いたところ、父親はもともと全く家事をせず、母親も、父親から怒鳴られたり叩かれたりして、いつも元気がなく、洗濯などの家事も出来ない状態とのことでした。

 その後、スクールカウンセラーから事情を聞いていたスクールソーシャルワーカーが、別件で家庭を訪問する機会がありました。ちょうど、自治体で弁護士会・法テラスと連携したDVの法律相談を実施していたので、そのことを紹介したところ、母親は一度相談してみたいと言いました。

 DVの法律相談を受けた母親は、別居後は裁判所による接近禁止命令や、婚姻費用という母と子の生活費の分担を求める制度もあること、離婚手続がどのように進むのかを知り、少し安心したようでした。

 法テラスの民事法律扶助制度を利用できたため、法律相談の費用は無料でした。また、その後の離婚調停・裁判等にかかる弁護士費用も、法テラスの民事法律扶助制度により無利息で立て替えてもらうことができました。

 離婚成立まで少し時間はかかりましたが、母親は表情が明るくなり、男児も元気に学校に通えています。

2.財産分与と養育費請求により離婚後の生活の安定を図った事例

お金に困る母子のイラスト

 20代の女性とその息子(小学生)の家庭。一年前、夫のスマートフォンに、夫が別の女性と数年間に渡って交際していることを示すメールや写真が保存されていることを発見。これをきっかけに口論になり、夫は家を出ました。その後夫から連絡や生活費の支払いもなく、生活が難しくなったとのことで、生活困窮者自立支援窓口に相談に来られました。

 地域の法テラス地方事務所が電話で相談を受け、弁護士等による無料法律相談制度(民事法律扶助)を利用して、弁護士の法律相談を受けてみることを勧めましたが、本人が不安そうであったため、相談員も同席して法律相談を実施しました。その結果、このケースでは離婚が認められる可能性が高いこと、夫名義の土地・建物や預金も財産分与の対象になること、養育費についてもきちんと支払ってもらう権利があることなどが明らかになりました。

 弁護士依頼費用等の立替制度(民事法律扶助)を利用して、離婚の手続を進め、その後、無事に離婚が成立。財産分与や養育費についてもきちんと決めることができました。経済的にも精神的にも余裕が生まれ、本人の離婚後の生活の安定を図ることができました。

3.大分市と法テラス大分の連携

法テラス大分では、大分市とこども・ひとり親に対する新たな取組を開始しました。詳細は法テラス大分のページからご確認ください。

4.ご連絡先(こども・ひとり親支援)

 各種制度の利用方法に関するお尋ねや地域における具体的な連携に関するご相談等がございましたら、お近くの法テラス地方事務所までご連絡ください。

 また、各種制度の福祉の現場での活用事例等、一般的なお問合せに関しましては、本部地域連携推進室(050-3383-0210)でもお受けしております。