原発事故の影響で避難しています。震災前に父が亡くなり、私が土地建物を相続しています。東京電力から、相続登記をしてくださいと言われました。相続登記はどのようにすればよいのでしょうか。
更新日:2018年6月28日
相続登記とは、相続を原因として所有権を移転する登記です。
申請書および添付書類(遺言書、遺産分割協議書、被相続人の除籍謄本等)が必要となります。
添付書類については、登記の種類によって異なります。
- 誰を所有者として登記するかは、遺言の有無や遺産分割協議の行方により決まりますが、それらがないのであれば、法律の規定にもとづく法定相続によることになります。
- 遺産分割をした時点で既に法定相続による相続登記をしていた場合には、遺産分割を原因として遺産分割で決めたとおりの持分とする持分移転の登記をすることになります。遺産分割をした時点で未だ法定相続による相続登記をしていないのであれば、遺産分割は相続開始時にさかのぼって効力が発生しますので、相続を原因として所有権移転登記をすることができます。
- つまり、遺産分割前に相続登記をすれば、結果として2回の登記になり、遺産分割後に登記をするなら、1回で済むということです。
- 相続登記をしないで長年放置しておくと、相続人も亡くなるなどして、相続登記をすることが困難になる場合があります。
- ただし、東京電力は、相続登記が完了したとしても、避難指示区域内の建物修復費用等(前払)の支払には応じません。この修復費用は原発事故発生時の登記情報で判断しているからです。東京電力は、「まず相続登記を行っていただいたうえで、今後予定している建物の財物価値の喪失または減少に係る賠償(本払)にてご請求いただきますようお願いいたします。(同社ホームページ)」としています。