こんなに純粋な職場は、他にはない。
更新日:2022年2月24日
東京パブリック法律事務所 谷口 太規 弁護士(スタッフ弁護士OB)
全力を投じることができた かけがえのない日々
苦労して書き上げた主張をまとめた文章を依頼者に送る。
30分と経たないうちに、依頼者からすぐさま電話が鳴る。
「言いたかったことが、すべて代弁されていた。ありがとう。」
受話器越しに、お互い涙を流す。
依頼者にとって人生で苦しい場面を、ともに全力でぶつかり合い、全力で駆け抜ける。
確かに人生においては一瞬のことなのかもしれないけれど、お互いがかけがえのない存在になる。
共鳴し、心が震え、涙し、また同時にやりがいだと感じる。
これは特別なエピソードというわけではなく、スタッフ弁護士として過ごした日常です。多くの案件を担当しましたが、今でも当時の依頼者のこと、事件のことは克明に覚えています。
スタッフ弁護士として働いた4年間は、ただただ、依頼者のことだけを考え、全力を投じる日々でした。
その人の人生にとって最善とは何か、そのために自分が尽くせることは何か、経営的な視点を気にすることなく、その人の人生を捉え、まっすぐに取り組む。
自分だけの力で足りなければ、周りを巻きこむ。
必要ならば、制度や仕組みそのものも作ってしまおう。
役所や地域包括支援センター、社会福祉協議会などと連携して、地域全体で生活を支えていく。
法的解決だけにとらわれない伴走型支援は、法テラスという公的看板を持つスタッフ弁護士だからこそ、実現できたことなのかもしれません。
依頼者から出発して、その人を取り巻く地域コミュニティや、社会全体を変えようとする視点は、その後のアメリカでのソーシャルワーカーとしての仕事や、現在取り組んでいる公共訴訟支援の活動へとつながっていきました。
スタッフ弁護士の経験がその後の全ての活動の原点です。
余計なことを考えず集中して仕事をしたい。
そんなふうに考えるんだったら、これほど適した職場はないんじゃないかな。
独立した今でも、羨ましく、また戻りたいと思うことがあります。
谷口弁護士プロフィール
2005年 弁護士登録、東京パブリック法律事務所
2006年 法テラス埼玉法律事務所(法テラス1期生)
2009年 東京パブリック法律事務所
2015年 ミシガン大学ソーシャルワーク大学院修士課程
2017年 ミシガン州公設弁護人事務所勤務(ソーシャルワーカー)
2018年 東池袋法律事務所
2019年 東京パブリック法律事務所(代表)
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