福島原発事故から3年が経過してしまうと、東京電力に対する損害賠償請求は、時効によってできなくなってしまうのでしょうか?
更新日:2018年6月28日
福島原発事故による東京電力に対する損害賠償請求については、特例法により消滅時効の期間が10年となりました。よって、東京電力が同事故から3年が経過したことを理由に、消滅時効を主張して請求を受け付けないことはありません。
- 福島第一原発事故による損害賠償請求権の消滅時効特例法が、平成25年12月4日に成立し、同月11日に公布・施行されました。
- この特例法で、平成23年3月11日に発生した東日本大震災における原子力発電所の事故により生じた原子力事業者(東京電力)に対する賠償請求権については、民法第724条の規定の適用について(1)損害及び加害者を知った時から「3年間」とされている消滅時効の期間を「10年間」とすること(2)「不法行為のときから20年」とされているいわゆる除斥期間を「損害が生じたときから20年とすること」と規定しています。
- この法律が成立したことで、当該賠償請求権の時効は10年となりましたので、東京電力が3年間の消滅時効を主張することはできません。
- 除斥期間とは、一定の権利について法律が予定する存続期間のことです。特例法では、事故後に判明する健康被害等に対応できるように、この除斥期間について、平成23年3月11日の事故発生(不法行為)のときからではなく、健康被害等(損害)が生じたときから20年と規定しました。
- 具体的な請求に関する詳細は、専門家に相談することをお勧めします。